説明
 江戸城本丸から三の丸には、多くの櫓で守られており、本丸で14基、二の丸で9基、三の丸で5基、総数28基を数える。現存の櫓は、富士見・桜田(巽)二重櫓と西の丸の伏見櫓だけです。
 富士見櫓は、慶長11年(1606)に創建、櫓台石垣は加藤清正が築いたといい、城内の現存石垣の中でも最も古い石垣のひとつです。その後、明暦3年(1657)に焼失し、万治2年(1659)に再建され、明治維新後は幾度かの改修を受け、関東大震災で大破し旧材を利用して再建されたといいます。
 どこからみても同じにみえることから「八方正面の櫓」といい、明暦大火後は再建を断念した天守の代わりの江戸城の象徴となっていました。初層は外妻側に唐破風で石落出窓、外平側に切妻破風となります。櫓の脇には上埋門があります。