江戸東京の歴史文化資源を活かした観光まちづくりの推進
江戸の地形と町割り
東京の生態系や自然条件は、江戸城が湾を見はらす武蔵野台地の突端にあり、東に水路が巡る下町、西に緑の多い山の手は起伏が多く、丘と谷が創りだすダイナミックな大地の上に、遥か遠く、この台地に人類が住みはじめ東アジアとの活発な交流時代を経て、人々は自然と一体となり弛まぬ時を連綿と重ね、近世江戸から近代へと世界に類を見ない江戸東京の歴史文化を創ってきたのではないでしょうか。(江戸城・城下町ルネッサンス4号より一部抜粋)

江戸東京の街並みの特性
現代と江戸の街区
下図は、現代の主要道を黄色に着色し、江戸と現代の街区を比較した図です。江戸城の城門(田安・半藏・外桜田・常盤橋・神田橋)から放射状に延びる旧街道は、現代の道であり街区の多くは、江戸時代以来のものであることがわかります。
江戸東京の地域特性と江戸城
江戸・東京の街並みは、江戸時代の江戸城跡(内堀と外堀)を中心に街区が形成され、近代以降、旧江戸城は皇居となり、大規模な大名屋敷など、武家地跡は役所や大学、邸宅地となりました。日本橋を代表とする町地は、現在も商業地として受け継がれ、多くの寺社は今も残り、城下町を伝えています。江戸城下町の範囲は、四里四方(約16km)といわれ、巨大城下町を形成していました。そのため、それぞれの地域で特有の歴史文化遺産が分布しているのが確認できます。

江戸城・城下町 地域別(区別)の歴史文化資源分布
特別史跡江戸城跡は、皇居と城跡が併存し、四季折々の自然にも囲まれています。自然と一体となった、世界にも類のない雄大で美しい城郭を形成し、世界遺産にも十分に匹敵すると云われています。櫓、石垣やお濠、城門や天守台の遺構、失われた本丸御殿などの歴史文化資源の痕跡も窺われます。

天下の府 江戸城・城下町の広範囲に多くの歴史文化遺産の痕跡が分布しています。
東京の近年の再開発で歴史文化資源が失われ、自然環境や歴史性が失われていく危機感がある中、分布図の御府内(8区)では、高度化した都心の再開発が激しい地域も多数の歴史文化資源が分布していることが良く解ります。しかしながら、それら実像は群としての全体像として「見える化」には至っていない現状にあるといえるでしょう。
