江戸東京歴史文化ルネッサンス

法人の目的と事業

 旧江戸城及びその城下町等の歴史的伝統と文化的価値を活かすまちづくりを調査・研究し、その成果や今日的意義を普及・啓発、提言することにより、我が国の文化・芸術の振興及び持続可能な歴史まちづくりの形成及び発展に寄与することを目的として、次の事業を行っております。

(1)調査研究

 旧江戸城及びその城下町などの歴史文化遺産等の文化的価値を活かしたまちづくりの形成に関する調査研究を行う事業

(2)調査・研究等の成果及び今日的意義の普及・啓発・提言

 以上、定款で定めた基本方針に基づき各年度の事業方針や執行計画による活動を行っております。

 (事業年度 1月1日 から 12月31日 迄)


江戸東京歴史文化ルネッサンス

2020年 今日的意義の検証

  1. 世界の首都は、今、歴史的文化的創造の時代に入り熾烈な都市間競争にある。
    先進諸国のトレンド「クリエイティブシティ」の取り組みは歴史や多彩な文化の奥深さにより都市の品格を高めている。2019年12月京都宣言では、国連の世界観光機関(UNWTO)と国連の教育科学文化機関(ユネスコ)は、観光と文化への貢献を強化し、持続可能な開発目標へのプロセスを促進させている。
  1. 「東京文化ビジョン」が掲げる伝統と革新が共存し融合する都市東京の独自性と多様性は、江戸文化やアジア、欧米に開かれたコスモポリタン的な文化を発展させて、現在に至っている。しかし、既に、首都東京には、世界に誇るべき莫大な歴史文化遺産が埋蔵されている。
  1. 江戸城跡は、日本一壮大で美しく、城門や石垣、豊かな水を湛たえた外濠や内濠は、昔の姿を今に残し、失われた天守や本丸御殿の痕跡は、往時の姿を想い起こされる。このように雄大な景観に包まれた特別史跡江戸城跡は、充分に世界遺産に匹敵すると云われて、久しい。

    一方、城下町に集められた武家や民衆にかかわる遺産、ジェンダー等の社会の問題や矛盾また開発によって生じた災害にかかわる遺産なども残されている。

    こうした江戸東京の歴史や文化を世界の人々と「感動を分かち合う」為にも、その遺産について人類共有の歴史文化遺産としての本質的な価値を明らかにし、本丸御殿の復元検討を含む江戸城全体整備構想の策定を目指し、私達の使命は、次世代に継承し近未来の世界遺産を目指していく。
  1. 高度経済成長期を境に、首都東京の空高く、摩天楼は今に続く。都市開発の一方で、東京の歴史性が失われてきたことは否めない。現代都市文化と歴史的景観及び自然環境を尊重する都市の有り方や開発に向けて、私達も自らに問いつつ共に学び、そして声を上げていこう。
  1. 東京の各地域では、産学官民大小のコミュニティや団体による江戸東京の多彩な文化や歴史を活かした活動や“まちづくり”が、展開され市民の誇り(シビックプライド)となっている。多様な主体とゆるやかな交流により江戸東京の歴史文化資源を活かした観光まちづくりに貢献していく。

    以上の観点から、私たちは、このテーマを具体化するための調査研究を進めると共にその成果や今日的意義を通し、普及・啓発・提言の活動を展開していく。

2020年(令和2年)12月
一般財団法人 江戸東京歴史文化ルネッサンス